これまで我が国の教育機関には、掘削技術を教育する大学は少数で、高等学校や専門学校は存在しないのが現状です。このため、地熱掘削業界では各社がそれぞれの技術教育をおこなってきことから、技術レベルは様々で、若い世代への技術継承が適切にできていないのが現状です。また、掘削技術の必要性や技術内容を若い世代や社会の教育機関等に理解していただく努力が足りず、深刻な人材不足に陥っております。このままでは、地熱開発の促進に影響が出るだけでなく、我が国の掘削技術の技術継承ができず、世界でも有数な地熱資源を開発することができなくなる可能性があります。これは我が国のエネルギー自給率の向上のみならず、長期的には国家の安定にすら影響することになるのではないかと危惧しております。この専門学校の設立には、関係各組織の方々から大変前向きなご意見、ご指導をいただいており、講師の派遣等についてのご協力を承諾いただいております。
財団の掘削技術専門学校では、最新の掘削技術を学べるよう特化された教材やカリキュラムを用意し、日本の専門学校では初めてである実際の作業で使われる掘削機を見て、触り、体験しながら学ぶことができます。また、掘削に必要な各種資格取得を学校がサポートし、現場での即戦力になれる人材を育成してまいります。学校設備に関しても、最新の掘削・実習設備を用意し、校内のイメージも落ち着いたモダンなオープンスペースも設け、交流の場としても幅広く活用できます。学生寮も隣接しておりますので、遠方からの生徒の方も安心して学習することができます。
財団では、失われつつある地熱掘削技術の継承と保存を目的とし、再生可能エネルギー発展のために高度な掘削技術を体得し、日本の未来のエネルギー自給率向上のため「社会に役立つ再生可能エネルギーの技術者」の育成を目指していきます。
掘削技術専門学校は、我が国のエネルギー自給率向上と、再生可能エネルギーの将来の主力電力化実現のために大きく役立ちます。再生可能エネルギーの中でも安定エネルギーである地熱発電を大きく発展させるため、未来の必要な人材を育成していく教育機関を目指します。
公益財団法人ジオパワー学園設立準備財団では、将来の再生可能エネルギーの主力電源化に向け、日本のエネルギー自給率向上と高度な技術力を学んだ技術者育成を目指しております。当財団への皆さまからの温かいご寄付を募集しております。
日本では、地熱エネルギーの資源量が世界第3位という世界でも有数の地熱資源大国ですが、地熱発電設備容量では世界第10位と大きく出遅れております。地熱エネルギーとは地下のマグマ溜まりから発生する地熱によって生み出される再生可能エネルギーです。地熱より生み出された熱水や、蒸気を活用し発電機のタービンを回すことにより電力を発生させる事ができます。地熱は地球環境にも優しいエネルギーといわれ、運転時に温室効果ガスの二酸化炭素の発生が火力発電に比して少なく、燃料の枯渇、高騰などの心配が少ないエネルギーです。また年間を通じて、天候や季節などにも影響されず、安定したエネルギーを24時間得る事ができる再生可能エネルギーになります。